2025年8月7日は立秋。二十四節気の一つで、暦の上では秋の始まりとされる日です。食欲の秋は、高齢者にとっても心と体の健康を支える大切な季節です。加齢によって低下しやすい食欲を、無理なく楽しく補える方法として、スイーツの上手な取り入れ方が注目されています。今回のコラムでは、フレイル(虚弱)を予防するために知っておきたい基礎知識と、スイーツを活用した健康的な間食法をわかりやすく解説します。ご家庭や高齢者施設で今日からすぐに実践できるヒントを、ぜひお役立てください。
フレイルとは?高齢者が知っておきたい基礎知識
フレイルの定義とその影響
フレイルとは、高齢になることで身体機能や認知機能、社会的なつながりが低下した状態を指します。これは健康と要介護の中間的な状態とも言われ、高齢者にとって非常に重要な課題です。例えば、フレイルの主な判定基準として、半年での体重減少や握力の低下、さらに疲れやすさなどが挙げられ、これらが重なると日常生活が困難になるリスクが高まります。フレイルが進行すると転倒しやすくなるほか、低栄養や免疫機能の低下につながり、感染症や慢性的な病気を引き起こす可能性があります。
フレイルの兆候とその進行を防ぐ重要性
フレイルは段階的に進行していくため、早期発見と対策が重要です。初期の兆候としては「体重が減った」「疲れやすい」「以前ほど食欲がない」といった変化が挙げられます。このような状態を放置すると、体力や筋力がさらに低下し、結果的に寝たきりの状態へと移行するリスクが高まります。しかし、日常生活の中で適切な食事や運動を取り入れることで、フレイルの進行を防ぐことが可能です。「さあにぎやかにいただく※1」の合言葉に基づき、様々な食品を摂取することはフレイル予防の第一歩です。
※1東京都健康長寿医療センター研究所が開発した「食品摂取多様性スコア」を基に、ロコモチャレンジ!推進協議会が考案したもの
さ:魚、あ:油、に:肉、ぎ:牛乳、や:野菜、か:海藻、い:芋、た:卵、だ:大豆、く:果物
高齢者における食の役割と栄養バランス
高齢者にとって、食事は健康を支える大切な要素です。特にたんぱく質の摂取は筋力維持に欠かせません。高齢者の場合、体重1キロあたり約1~1.2グラムのたんぱく質を摂取することが推奨されています。また、「いも類」や「海藻類」などが不足しがちな食品ですが、ふかし芋や乾燥わかめなど、たべやすい形で取り入れることで無理なく栄養バランスを整えることができます。さらに1日3食を基本としながら、間食やスイーツを上手に活用することで不足しがちなエネルギーや栄養を補うことができます。食べることそのものを楽しむ姿勢も、フレイル予防において大切な要素です。
スイーツがフレイル予防に役立つ理由
スイーツの多様性と手軽さ
食欲の秋が訪れるこの時期、スイーツはその多様性と手軽さで高齢者の暮らしにぴったりな選択肢です。プリンや羊羹、ゼリーなど、日本の伝統的な味から洋風デザートまで種類が豊富で、個々の好みに合った選択が可能です。また、多くのスイーツは1個ずつ個包装されており、必要な分だけ手軽に取り入れやすい点が魅力です。「おやつレク」やおうち時間の中で、おやつを楽しむことは気分転換にも役立ちます。
高齢者に必要なエネルギーと栄養補給のポイント
高齢になるとエネルギーやたんぱく質の摂取量が減少しやすく、身体機能が低下する可能性があります。スイーツには、エネルギー補給に役立つ糖質や脂質が適度に含まれた商品が多く、フレイル予防の味方となります。特に、乳製品を使用したプリンやヨーグルト系スイーツは、カロリーだけでなくたんぱく質も摂取できるため、栄養バランスを考えるうえでおすすめです。さらに、季節の素材(栗やかぼちゃなど)を使ったスイーツは栄養価も高く、食欲の秋を楽しみながら栄養補給が図れます。
糖分摂取量に配慮しつつ楽しむ方法
高齢者がデザートを楽しむ際には、糖分の摂取量にも気を配ることが大切です。最近では砂糖不使用や糖質控えめの商品も多く登場しており、こうした商品を選ぶことで健康を意識しながら安心して楽しむことが可能です。また、プレーンヨーグルトに少量のフルーツやジャムを加えたり、小分けサイズのお菓子を選ぶなど、量を調整することで程度な糖分摂取を心がけるとよいでしょう。毎日のちょっとした「おやつタイム」を工夫することで、日々の楽しみを増やし、心と体の健康維持にもつなげることができます。
スイーツの取り入れ方でさらに健康的に!
間食として適切な時間と量の設定
高齢者が間食としてスイーツを楽しむ際には、摂取する時間と量に気をつけることが重要です。食欲の秋に美味しいスイーツを取り入れる際も、フレイル予防という観点からバランスが大切です。例えば、1日の食事のリズムを崩さないよう、食事と食事の間、おやつタイムを設けるのがおすすめです。時間は昼過ぎの14時~15時頃が体にも負担が少なく、食欲を満たすのに適しています、また、量についてはカロリー過多を避けるため、個包装されているスイーツを利用するのが便利です。
スイーツを楽しむ際の簡単なアレンジ法
スイーツをそのまま食べるだけでなく、少し工夫を加えることで、栄養バランスを補うことができます。例えば、スポンジケーキに無糖のギリシャヨーグルトやフルーツを添えることは、たんぱく質やビタミン補給に役立ちます。また、プリンやゼリーにクラッシュしたナッツを振りかけると、食感が楽しくなるだでなく、良質な油を摂取できます。こうした簡単なアレンジで、食欲の秋を満たしつつ、高齢者の健康的な暮らしをサポートするおやつレクで楽しんでみましょう。
お茶やコーヒーとの組み合わせでリラックス効果も
デザートは、飲み物と一緒に楽しむことでさらに健康的な効果を引き出せます。例えば、ほうじ茶や緑茶とスイーツを組み合わせることで消化をサポートし、生活習慣病予防にもつながります。また、食欲が低下しがちな高齢者にとって、温かい飲み物は気持ちをリラックスさせ、心を落ち着ける効果があります。同時にカフェタイムとして家族や友人と時間を共有することで、社会的なつながりも深められるでしょう。こうして、食欲の秋を上手に味方につけたスイーツタイムは、フレイル予防にも一役買うのです。
家族や施設で実践できるスイーツシェアのすすめ
家族で楽しむおうちカフェタイムを作る工夫
家族みんなで「おうちカフェタイム」を楽しむ時間を作ることは、高齢者のフレイル予防において大切な取り組みのひとつです。例えば、食欲の秋には旬のフルーツを活かしたスイーツを用意しながら、家庭で手軽におしゃれなカフェ気分を味わえます。デザートドリンクとしてコーヒーやお茶を添えることで、さらにリラックスできる空間を演出することができます。また、スイーツをただ食べるだけでなく、家庭で簡単なアレンジを楽しむのも良いでしょう。例えば、プリンに果物を添える、ホイップクリームやナッツをトッピングするなどの工夫で、見た目や味に変化が生まれ会話が弾むきっかけとなります。家族が集まり、お互いの近況を話しながら食事を楽しむ時間は、高齢者の孤立感を防ぎ、心身の活力を高める貴重なひとときです。
施設内でのスイーツ提供のメリット
高齢者施設では、スイーツを取り入れた「おやつ(おやつレクリエーション)」が非常に効果的です。スイーツを活用することで準備も簡単になり、手軽に栄養を補給しつつ、高齢者同士のコミュニケーションを促進する場を提供できます。高齢者施設の職員が調整しやすいスイーツは、バリエーション豊富で食べやすいものが多く、高齢者に味覚に合わせて選択することができます。例えば、やわらかいゼリーやクリーム系のスイーツは、咀嚼力が低下している方にも適した選択肢です。また、糖分の摂取量を管理しやすい小分けされた商品を選ぶことで、健康にも配慮できます。共にスイーツを楽しむ時間は、「食べることの楽しみ」を再発見する機会となり、栄養改善に加えて気持ちの上でも元気を与える効果があります。
高齢者同士のコミュニケーションを促すきっかけに
おやつの時間をきっかけに、高齢者同士のコミュニケーションを活性化することもフレイル予防に繋がります。特に高齢者施設で提供されるスイーツを囲むことで、自然と会話が生まれる場となります。食欲の秋には季節感を意識したスイートポテトや栗のデザートなど、話題性のあるお菓子を取り入れると良いでしょう。例えば、みんなで「このおやつ美味しいね」「昔こんな味を食べたよ」といったエピソードを共有することで交流が深まり、社会的なつながりの低下を防ぐことができます。また、「一緒におやつを選ぶ」「手作り感を加えたアレンジスイーツに挑戦する」といった共同作業を行えば、達成感や楽しさを共有する効果も期待できます。スイーツシェアは単なる栄養補給にとどまらず、心の健康や社会的つながりを大切にする「暮らしの味方」となることができます。
おいしく健康に!スイーツを活用したフレイル予防のまとめ
日々の間食を楽しむことが健康維持への第一歩
食欲の秋は、自然と食べる楽しみが増える季節です。特に高齢者にとって、間食は単なる楽しみだけでなく、栄養補給の大切な機会でもあります。スイーツは手軽で食べやすいものが多く、忙しい日常の中でも気軽に取り入れられる点が魅力です。例えば、カステラやプリンなどの柔らかいデザートは、噛む力が弱くなった高齢者にも優しいおやつです。毎日少しの甘さを楽しむことで、生活を彩りが加わり、心の健康にもつながります。
バランスのとれた食生活と組み合わせで無理なく続ける
間食としてのスイーツを楽しむ際には、主食・主菜・副菜の基本を押さえた食事と組み合わせることが大切です。たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの不足を防ぐために、スイーツは食生活の「味方」として活用しましょう。例えば、ヨーグルトにフルーツを添えるなどの工夫をすると、栄養バランスが良くなるうえに美味しくいただけます。また、無理なく続けられる量を心がけることで、甘いものを避けずフレイル予防に取り組むことができます。
食欲の秋を楽しみながら心と体の健康を大切に
旬の味覚を楽しむ「食欲の秋」は、高齢者にとっても栄養を補いながら暮らしを豊かにするチャンスです。家族や施設で一緒に食べるスイーツタイムは、会話のきっかけとなり、社会的孤立の防止にも役立ちます。また、デザートはの選び方や量を工夫することで、血糖値の急上昇を抑えながら楽しむことができます。おやつレクとしてスイーツを取り入れることで、食べる喜びを共有しながら健康的な生活を続けましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
高齢者にとって、スイーツはただの楽しみではなく、栄養を補い心の健康を支える大切な味方です。食欲の秋をきっかけに、日々の間食を工夫してフレイルを予防し、いつまでも元気に過ごせる毎日を目指しましょう。ご家族や施設の皆さんと一緒に、おやつタイムを通じて笑顔と会話が増える時間をつくってみてください。
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