今回のコラムでは、医療介護系従事者の方々にはかなり身近である「褥瘡」(床ずれ)について解説したいと思います。
体の一定の場所に、一定の時間以上、一定以上の圧力が加わって皮膚が虚血性壊死に陥ったのが「褥瘡」です。
健康な人は寝ているときでも、体の一部分に持続的に圧力がかかると、知覚神経により虚血を感じ、知らず知らずのうちに寝返りをうっています。
寝たきりの人は自分で体位を変えることができないため、同じ場所にずっと体重がかかり、骨の出っ張っているような部位に褥瘡が生じてしまいます。
褥瘡を発生しやすい方は、下記のとおりです。
・長期間寝たきりを余儀なくされる方(骨盤骨折)
・糖尿病などの神経障害があって、痛みやしびれを感じない方(糖尿病)
・脳血管障害や脊髄疾患等で運動障害にある方(脳血管疾患、脊髄損傷)
・栄養状態が悪い方
・高齢で皮膚が薄く弱くなっている方
では、褥瘡はどのような体の部位に発生しやすいのでしょうか。
褥瘡になりやすい部位
褥瘡はその人の体格や寝ている体位によって生じる場所は様々ですが、体重のかかる骨の突出している部位で脂肪や筋肉の薄いところでよく発症します。
日本褥瘡学会が行った2013年の実態調査では、一般病院における褥瘡発生部位の順番は、➀仙骨部(47.2%)、②その他(16.4%)、③尾骨部(16.0%)、④踵骨部(12.4%)、⑤大転子部(10.7%)、⑥座骨結節部(5.9%)、⑦腸骨稜部(5.3%)となっております。
療養型病床では、①仙骨部、②その他、③大転子部、④踵骨部となっています。尾骨部よりも大転子部、踵骨部が多いのは、療養型病床では座位姿勢を取られる方が少なくなるからと思われます。
このように褥瘡は、仙骨部、尾骨部、大転子部、踵骨部ができやすい部位といわれております。
褥瘡の見分け方
皮膚が赤くなっている場合(発赤)は、これが「持続性の発赤」なのか「一時的な発赤」なのかを見きわめる必要があります。「持続性の発赤」は、血管の破綻によって赤血球が漏出したもので、これは「褥瘡」です。褥瘡は不可逆的に阻血障害に陥った状態ですから、発生初期には「皮膚が赤くなる(発赤)」となって現れることが多いです。そして、それが褥瘡でるのか確かめる方法には、「指押し法」と「ガラス板圧診法」があります。
「指押し法」は、人差し指で赤くなっている部分を軽く3秒ほど圧迫し、白っぽく変化するかどうかを確認する方法があります。白くなる場合は、「可逆性のある」皮膚の状態(反応性充血)であり「褥瘡」ではありません。白く消退しない場合は「持続する発赤」で「褥瘡」と判断できます。
「ガラス板圧診法」では、透明プラスチック板を発赤部に当て、白く消退する場合は反応性充血、消退しない場合は「褥瘡」と判断します。ガラス板圧診法のほうが、力の加減がしやすく、また皮膚圧迫時の退色についても観察しやすいことから活用されやすいです。
褥瘡の治療法
「褥瘡」だと思ったら、病院に行きましょう。多くの医療施設に褥瘡対策チームが設置されており、専任の医師と専任の看護師が多職種からなるチームを取りまとめて診療にあたっています。どの診療科の医師が担当しているかは医療施設によって異なりますので、受診を希望する施設で確認することをおすすめします。
褥瘡の治療は、①保存的治療(外用薬剤や創傷被覆材)、②物理療法、③外科的治療に分けられます。
褥瘡の予防について
褥瘡を発生させいないために、あらかじめ骨の突出部にかかる圧力を分散させる事が重要です。
褥瘡予防には以下の4つのポイントがあります。
➀体位変換(・ずっと同じ姿勢にしない ・体圧を1ヶ所に集中させない ・こまめな体位変換)
②体圧を分散する寝具(・エアマットレス ・ウレタンフォームマットレス)
③皮膚のケア(・清潔を保ち、こすらない ・血行をよくするためのマッサージ ・失禁管理)
④栄養状態(・たんぱく質の指標である血清アルブミンが不足すると褥瘡リスクが高くなるので要注意 ・摂取エネルギー(カロリー)が不足すると褥瘡のリスクが高くなるので要注意)
まとめ
いかがでしょうか?寝たきりの状態になった場合に気をつけることの1つに「褥瘡」(床ずれ)があります。自分で体位変換が出来ず長期間寝たきりになると、様々な因子によって「褥瘡」になってしまうことがあります。
今回は、「褥瘡」を発生しやすい方、「褥瘡」になりやすい部位、「褥瘡」の見分け方、「褥瘡」の治療法、「褥瘡」の予防について書いてみました。
「褥瘡の予防について」の中にもありました栄養状態では、エネルギー、たんぱく質は十分に補給することが大切です。
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