今回のコラムでは、食を通じてのADL維持とQOL向上について紹介いたします。

介護・福祉業界で使われている言葉に「ADL」(日常生活動作)、「QOL」(生活の質)というものがあります。
また、ADLを細分化した「BADL」(基本的日常生活動作)と「IADL」(手段的日常生活操作)という言葉もあります。これらと「食事動作」は深い関係をもっているとも言われています。今回は、これらのADL、BADL、IADL、QOLの関係性について、まとめてみました。

 

 

ADLとQOLの違い

「ADL(Activities of Daily Living)」とは、日本語で「日常生活動作」と訳されます。食事やトイレ、入浴や整容、着替え、移動などといった日常生活を送るために必要な基本的な動作、日常的・習慣的に行っている行動のことを指します。

「QOL(Quality of Life)」とは、日本語で「生活の質、または人生の質」と訳されます。QOLは、WHO(世界保健機構)によって「個人が生活する文化や価値観の中で目標や期待、基準および関心に関わる自分自身の人生についての認識」と定義されています。要するに、「その人自身の生活の価値観や幸福感、満足な生活をしているかどうかのこと」を指す概念と考えていいでしょう。

ADLは日常生活に必要な動作をどの程度行えるかを表し、QOLは人間らしく満足した生活を送れているかを表しているというのが違いです。

 

ADLの中に「BADL」と「IADL」がある

ADLのカテゴライズには「BADL(Basic Activity of Daily Living)」と「IADL(Instrumental Activities of Daily Living)」というものがあります。

「ADL」というと一般的には、「BADL」を指すことが多いです。
一方で、「IADL」は、「手段的日常生活動作」と訳されます。

「IADL」は、掃除、料理、洗濯、買い物、電話対応、服薬管理、金銭管理で、「ADL(BADL)」よりもやや難易度が上がり、判断力を求められます。健全で健康的な生活を送るためには欠かせない能力です。IADLにはレベルの高い作業が求められるためADLの障害がIADL能力の低下よりも先に起こることはありません。

最近は、ADLよりも特にIADLが重要視され、その維持や予防については、さまざまな取り組みが行われています。「食事」を例にすると・・・
・買い物ができない ・料理ができない

ADLの「食べる」事はできますが、その前段階の食事の用意が自力ではできなくなります。それにより、食事が面倒になり、食事回数が減るなどということが起こる可能性があります。
IADL能力の低下が認められて進行具合を把握できれば、適切なリハビリや訓練を開始することも可能になりQOLの維持にもつながります。

 

QOLはADLの低下に関係している

 

 

QOLとADLには大事な関係性があります。ADLが自分でできれば、生活の質(QOL)も高まります。寝たきりやADL能力が低い場合でも、ベッドで映画を見たり、家族と会話が出来たりと「生きがい」や「やりがい」を見つけ、それに取り組むことで生活の質(QOL)は高まります。このようにQOLとADLは大事な関係性があり、どちらも極めて重要であるといえます。

ADLが低下すると、活動が低下して、社会参加の機会も少なくなります。生きがいや役割を見いだせなくなると家にも閉じこもりがちとなり、身体的、精神的にも機能が低下していきます。心身の機能が低下するとADLがさらに低下し、QOLも高まらないという関係性があります。

 

QOLが低下してしまう理由

QOLが低下してしまう理由には、4つの事柄が関係していると考えられています。

① バランスの悪い食事状況
バランスの悪い食事とは、食事で摂取する栄養バランスが偏っていたり、摂取カロリーが適切でなかったりする状況です。食事のバランスが悪い場合、「健康に悪い影響を及ぼすリスクが高くなるため」気をつけましょう。QOL維持向上には「健康」を意識する必要がありますので、食事状況の見直しを行うことも重要だといえます。

② 運動不足
足腰が弱ってくると、歩くことを敬遠しがちになります。また、外出先で車いすを利用するケースもあると思います。しかし、弱ってきたことを理由として足の筋肉を使わなくなってしますうと、そのまま歩けなくなってしまうリスクが高くなります。
一方で、無理に運動しすぎてしまうのも逆効果となるため、こちらもQOL低下となる可能性が高くなるため注意しましょう。

③ コミュニケーション不足
これまで当たり前にできていたことが突然できなくなると、本人はショックを受ける可能性が高いです。ショックを受けたことによって「人との関わりを避けるようになり、人間関係が希薄になっていくこと」も考えられるため気を付ける必要があります。
コミュニケーションが不足すると同時に、意欲も低下していく可能性があるため注意しましょう。

④ 意欲低下
身体の状態などを理由とし、積極的に活動することが難しくなるとストレスから意欲低下を招く可能性があります。
一方で、本人の気持ちを無視して、社会活動への参加をすすめるとストレスがかかるため、この場合にもQOL低下につながるケースもありますので注意しましょう。

 

QOL向上のために

QOLの向上を目指すためには、まずADL能力を高めることが重要になってきます。
ADL能力を高めるには、理学療法や作業療法、言語療法のリハビリテーションや福祉用具や介護サービスの導入などの方法があります。特に特別な道具や薬がなくてもADLの改善やADL低下予防はできます。第一に必要なのは、栄養バランスを考慮した食事や適度な運動を取り入れるなど、健康的な生活習慣を身につけることです。

ADLの低下を理由に行動を制限するのではなく、食事や家事、趣味活動などの日常生活を送ることが、ADLが改善し、QOL向上へとつながります。積極的に外出して家族以外の人とコミュニケーションをとったり、社会活動に参加して役割を担うことで、生活の質(QOL)の幅も広がると考えます。

 

まとめ

ADL維持とQOL向上は密接な関係があることを書かせていただきました。
そして、その関係性には、食事も要素の1つとなっております。
ADL(BADL)→IADL維持→QOL向上というイメージをもっていただければ幸いです。

最後に、この記事で紹介した内容を簡単にまとめておきましょう。
・ADLとQOLの違い
◎ADLは、「日常生活動作」
◎QOLは、「生活の質、または人生の質」
・ADLの中にBADLとIADLがある
◎「BADL」は、一般的に「ADL」(日常生活動作)を指しています。
◎「IADL」は、「手段的日常生活動作」で、ADLより頭を使って判断したり、記憶力や運動が必要な動作を指します。
・QOLはADL低下に関係
◎ADLが低下するとQOLも低くなる
・QOLが低下する理由
◎4つの要因「バランスの悪い食事」「運動不足」「コミュニケーション不足」「意欲低下」
・QOL向上のため
◎ADL能力を高めることが大事

 

 

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