超高齢化社会での「嚥下食」について

 

こんにちは。「業務用デザート・業務用スイーツ.com」編集部です。 

今回のコラムでは、「超高齢化社会」と「嚥下食」というキーワードに焦点をあてて解説していきたいと思います。

日本は2007年に超高齢化社会に突入し、2021年には総人口に占める高齢者人口(65歳以上)は29.1%となりました。

このような超高齢化社会において、ますます高齢者に対応した食のニーズが高まってきております。その中でも、摂食・嚥下を考慮した食事いわゆる「嚥下食」へのニーズが高くなってきております。

今回のコラムでは、嚥下食について分かりやすく解説いたします。

 

 

1.嚥下食の構成(区分)について

摂食・嚥下障がい者を対象として、飲み込みや咀嚼といった嚥下機能の低下がみられる場合に摂食・嚥下機能のレベルに合わせて対応する「嚥下訓練食」、「嚥下食(嚥下調整食)」、「介護食」の3つで構成され、飲み込みやすいように形態やとろみ、食塊のまとまりやすさなどを調整した食事のことを言います。

①「嚥下訓練食」とは?

摂食・嚥下機能が重度に低下した場合に用いられる食品です。

主に食事の場面だけではなく嚥下の訓練を始める場合でも利用されているため、「嚥下食」ではなく、「嚥下訓練食」とされています。

②「嚥下食(嚥下調整食)」とは?

嚥下機能が低下した人に配慮して、やわらかさや形態を調整した飲み込みやすい食事を言います。

日本摂食・嚥下リハビリテーション学会の分類では「嚥下調整食」と呼ばれています。

③「介護食(移行食)」とは?

食事については特別な制限のない健康な人への食事を「通常食」と呼ぶのに対して、噛む力や飲み込む力が弱まっている人が安全に食べられるように調理方法などを工夫した食事を「介護食」と言います。誤嚥を防ぐためにも食事の形状(食事形態)がとても重要になります。また、生活習慣病を伴う場合は、それぞれの疾患に準じた対応が必要です。

介護食は、弱まった食べる機能を補ってくれる食事であることが大切です。

④食形態への様々な取り組み

また、現在は食形態への様々な取り組みがあり、分類が多数あります。これは、退院や転院時の共通言語として、機能に応じた食品を適切に選択できる目的で利用されています。主な分類は以下の通りです。

・学会分類2021 
・特別用途食品(えん下困難者用食品) 
・ユニバーサルデザインフード(UDF) 
・嚥下食ピラミッド 
・スマイルケア食 
・嚥下調整食分類2018 
・IDDSI  等

2.嚥下食の種類について

食べる人の体調や食べる能力に応じて、「きざみ食」・「ソフト食」・「ムース食」・「ゼリー食」・「ミキサー食」を準備することになります。それぞれ簡単に説明していきたいと思います。

①きざみ食

 

嚥下が低下した方や歯がない人が噛まなくて済むように5mm~10mm位に細かく包丁で刻んだ食事です。噛む力は衰えてしまっていても、飲み込む力や唾液の量は変わらない方に向いています。食材の硬さを柔らかく調整しないのが基本の調理となります。。

②ソフト食

歯ではなく歯茎や舌でつぶせる程度の硬さで、通常の食事よりも柔らかめに調理された介護食です。噛む力、飲み込む力が共に弱くなっている方に向けた介護食です。煮込んだり、茹でたりする工程を通常よりも長めに行って仕上げます。

③ムース食

通常の料理をすりつぶした後、とろみ剤などを使って再び料理の形に整えた介護食です。見た目や味、香りも楽しむことができます。ムース食は商品として販売されているものもあり、購入することもできます。硬さなど食べる方にあっているかどうかを確認し、購入することをおすすめします。

④ゼリー食

食事をペースト状にし、ゼラチンや寒天など加えて柔らかく固めたものです。ゼリーのような食感で喉の滑りもよく、口の中でつぶさなくても飲み込めるのが特徴です。噛む力、飲み込む力ともに、かなり低下している人に向いています。

⑤ミキサー食

食材に出汁などを加え、ミキサーでなめらかなポタージュ状にしたもののことです。噛むことがほとんど出来ず、飲み込む力も弱まっている方でも食べられるのがミキサー食です。ミキサー食にする場合は、ポタージュ程度を目安に、その人にあった適切なとろみをつける事が大事になってきます。

 

3.嚥下食の課題とニーズ

日清オイリオグループがまとめた「介護食作りに関する実態調査」において、在宅の介護における「介護食作りを大変だと思っているか?」というアンケートに対し、「非常に大変だと思っている」が29%、「ある程度大変だと思っている」40%で、合計69%の人が介護食作りに困難さを抱いていました。

介護食を家庭で作る困難さから見ても、今後は配食(給食)事業者のニーズも高くなってきております。

一方で、配食サービスの利用者を対象とした調査結果を見ると、利用者のうち嚥下機能が低下している方が6割程度であり、また、摂食能力が低下していてもほとんどが常食を利用している状況にあることなどから、摂取量が低下し、十分な食事がとれていない可能性が考えられ、配食事業者にも課題があるとの報告もあがってきております。

主な課題としては、「栄養計算をしないまま、介護食を提供しているケース」「嚥下機能の低下がみられるのに、業者の用意する形態が不十分なケース」「事業者と利用者で交わされるアセスメント(価値の評価)が不十分なケース」「要望をもっていても事業者に伝わっていないケース」などがあります。配食事業においては人手不足のため、嚥下食を作る上で「省人化」のニーズがあります。

在宅の方々への食事支援に当たっては、その方の咀嚼機能、嚥下機能にあった介護食を提供するとともに、その介護食にどれだけ栄養量が含まれているのかを明らかにすることなどにより、利用者が必要な栄養を摂取できるようにすることが重要となってきます。

いずれにしても、嚥下食・介護食は「誰でも」「時間をかけず」「美味しく」「簡便に出来る」これらの事がニーズとして出てきております。

4.嚥下食のおすすめデザート

ここまで嚥下食の種類や課題とニーズなどを解説させていただきましたが、最後におすすめのデザートを紹介したいと思います。

 ①ムース

嚥下食として代表的なデザートがムースです。ムースの加工方法はデザートだけでなく通常の食事を食べやすく加工する際にも用いられています。

果物などをミキサーにかけた後に、とろみ剤などを使って食べやすく、飲み込みやすくした

ものをムースと呼びます。味や香りなど楽しむことができるのが特徴です。食べる方の咀嚼能力に合わせて、とろみ剤などで調整し作ることができます。

②ゼリー

介護食品でも多くのゼリーが発売されております。ゼラチンなどの「ゲル化剤」や「増粘剤」を使って作ることが出来ますが、「ゲル化剤」や「増粘剤」などの製品によってゼリー強度が異なるため、使用量や濃度、安定化に要する条件などに注意が必要です。

食品メーカーから発売されているゼリーは、高齢者向けに摂取量が少なくも必要とされる栄養が取れる商品や、水分補給として使える商品など数多くラインナップされております。

③プリン

プリンも介護食品のデザートとして多くの商品が発売されております。プリンは一般的にもデザートとして想像しやすいかもしれません。

こちらも食品メーカーから発売されているプリンは、少量でも高たんぱくの商品のものや、高齢者に必要とされる栄養が考慮された商品が数多くラインナップされております。

まとめ

いかがでしょうか?嚥下食において、もっとも大事なことは「食べる方の状態に合っているかどうか」です。また、今後は高齢者が食事の摂取量が減ってしまい、低栄養状態になるなど「栄養」という知識を高齢者自身にも広く理解、認知していく活動も必要となってきます。

このような事を念頭において、嚥下食を準備していきましょう。

 

最後に、この記事でご紹介した内容を簡単にまとめておきましょう。

・嚥下食とは

 ◎飲み込みやすいように形態やとろみ、食塊のまとまりやすさなどを調整した食事

・嚥下食の構成(区分)について

 ◎「嚥下訓練食」、「嚥下食(嚥下調整食)」、「介護食」の3つで構成

・嚥下食の種類

 ◎「きざみ食」、「ソフト食」、「ムース食」、「ゼリー食」、「ミキサー食」

・嚥下食の課題とニーズ

 ◎課題は、多くの方々が介護食作りに困難さを抱いている事。今後は「誰でも」「時間をかけず」「美味しく」「簡便に出来る」というニーズがある。

・嚥下食のおすすめデザート

 ◎ムース、ゼリー、プリン

 

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