超高齢化社会に突入した私達にとって、高齢者の健康と生活の質を維持することは重要な社会課題の1つです。
フレイルは、筋力の低下や身体機能の低下、身体バランスの悪化などを特徴とする状態であり、高齢者にとって重要な健康リスクですが、適切なケアによって健常な状態に戻ることも可能だと言われています。
今回のコラムでは、そのフレイル予防に役立つおやつ(間食)について、健康と味のバランスも考えた3つのポイントも書いてみました。
フレイルとは
サルコペニア、ロコモよりも広い範囲での概念であり、身体的な問題のほか、認知機能の低下などの精神的・心理的問題、経済的貧窮などの社会的問題を含む、健常と要介護の中間的な状態で、要介護状態の前段階と言われています。
日本の高齢者のうちフレイルに該当する方は約10%と言われており、年齢が重なるにつれて割合は多くなっています。
また、フレイルの判定には下記の項目に該当するかどうかが評価基準とされております。
・体重減少 … 6ヶ月で2Kg以上の意図しない体重減
・握力低下 … 男性28Kg未満、女性18Kg未満
・疲労感 … この2週間わけもなく疲れたような感じがする
・歩行速度低下 … 秒速1m未満(横断歩道を青色の間に渡れているか)
・身体活動 … ①軽い運動・体操をしていますか?②定期的な運動・スポーツをしていますか(2つのいずれも「週1回もしていない」と回答した人)
5つの評価基準のうち、3項目以上に該当する場合はフレイル、1項目または2項目に該当する場合はプレフレイル(フレイルの前段階)、いずれも該当しない場合を健常とするとなっております。
高齢者にとってのおやつの役割
おやつ(間食)は、一般的に食事以外の時間に摂る小腹を満たすための食品です。一般的に、おやつ(間食)は食欲を満たし、エネルギー補給や栄養摂取の機会を提供します。
高齢者にとっては、おやつ(間食)は食事の間の空腹感を和らげるだけでなく、栄養補給、エネルギー補給、気分のリフレッシュ、社会的交流の機会、嚥下訓練などの重要な要素となります。
フレイル予防に必要な栄養素とは
フレイル予防には、特定の栄養素の摂取が重要です。下記にまとめてみました。
・タンパク質
タンパク質は、筋肉・内臓、髪や爪、皮膚などをつくる栄養素であり、筋力の維持に関連しています。
・ビタミンD
カルシウムをコントロールする栄養素で骨を強くする役割が知られていますが、最近では筋肉を強くする役割も明らかになってきています。
・カルシウム
骨や歯を作る栄養素です。また、筋肉や神経などの働きを正常に保つために重要な役割を担っています。また、転倒や骨折のリスクを低減する役割を果たします。
また、抗酸化ビタミンやオメガ3脂肪酸などの栄養素も炎症の抑制や免疫機能の向上に関与し、フレイル予防に役立ちます。
フレイル予防に役立つおやつとは
フレイル予防に役立つ、健康バランスを考えたおやつの選択が重要です。以下にフレイル予防に役立つおやつをピックアップしました。
・タンパク質が多いおやつ
カステラ、きな粉、大豆せんべい、サラダチキン、ヨーグルト、おつまみ類(さきいか、チー鱈、アーモンド小魚)、プロテインバー、ホットケーキなどはタンパク質が豊富であり、筋肉の健康維持にも寄与します。
・カルシウムが多いおやつ
最も効率よくカルシウムを摂取できる乳製品は、牛乳はもちろん、ヨーグルトやチーズなど調理せずに食べられるものが多いため比較的、手軽にカルシウム不足を補えます。骨ごと食べれる小魚も、乳瀬品に次いで効率的にカルシウムを吸収できる食材です。
・カルシウムと一緒に摂りたいビタミンD
上記のカルシウムを多く含むおやつ(間食)だけでなく、ビタミンDやビタミンKを一緒に摂ることがカルシウム不足には、より効果的です。
ビタミンDは魚に豊富なほか、きのこや卵にも含まれています。骨まで食べられる小魚はカルシウムを多く含んでいるうえにビタミンも豊富に含まれているので、おすすめです。
・ビタミンを補うおやつ
ビタミンを補給するなら、主にフルーツを使ったおやつ(間食)がよいでしょう。季節のフルーツやフルーツゼリーやフルーツジュースでもビタミン補給は可能です。おすすめは、季節のフルーツ、フルーツゼリー、フルーツジュース、ジュースは果汁100%のものを選ぶとよいでしょう。
フレイル予防のおやつのポイント3つ
健康的なおやつ(間食)を選ぶことは重要ですが、味や楽しさも忘れてはいけない要素の1つです。
高齢者にとって、食事やおやつの楽しみは生活の一部です。健康的なおやつ(間食)を選ぶ際には、味や食べやすさにも配慮することが大切です。
バラエティ豊かなおやつ
同じおやつ(間食)ばかりを提供すると飽きてしまうことがあります。季節のフルーツや野菜、異なるタイプのナッツ、ヨーグルトの異なるフレーバーなど、バラエティ豊かなおやつ(間食)を提供することで、味の楽しさを確保できます。
調理方法の工夫
おやつ(間食)を調理することも1つの方法です。例えば、野菜スティックを作り、お好みのディップと一緒に楽しむことができます。また、焼きりんごやヨーグルトパフェなど、健康的なデザートレシピで工夫する方法などもあります。
適量なおやつを摂取する
おやつ(間食)は栄養補給の機会であるため、適切な量を摂ることが重要です。過度な摂取は不要な体重増加や栄養バランスの崩れにつながる可能性があります。個々の栄養ニーズや活動レベルに合わせて、適切な量を判断しましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
おやつは高齢者のフレイル予防に役立つ重要な要素の1つです。適切な栄養素を含みながら、健康と味のバランスを考えることが大切です。
タンパク質、カルシウム、ビタミンなどの栄養素をおやつで摂取することで、筋力の維持や骨の健康と向上に貢献します。
バラエティ豊かなおやつや調理方法の工夫、適切な量の摂取など、健康と味の両面を大切にしながら、フレイル予防に役立つおやつ(間食)を楽しみましょう。
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