高齢化が深刻な社会問題になるにつれて、注目されている「フレイル」。

今回はフレイルについて、栄養との関係を中心に解説していきます。

栄養士の方や、フレイル予防が必要な方などに食事を提供しているという方はぜひチェックしてみてください。

 

 

フレイルとは

そもそも、フレイルとはどういったことを指すのでしょうか。

フレイルとは、高齢者によく見られる身体的・認知的な機能の低下や虚弱化の状態を指します。これにより、日常生活の活動能力が制限され、個人の生活の質が低下してしまいます。

フレイルの特徴としては、筋力低下、体重減少、活動制限、疲労感、認知機能の低下などが挙げられます。また、フレイルは加齢とともに進行し、重篤化することもあります。

そのため、フレイルの予防と管理は重要な課題となっております。

 

フレイルと栄養の関係性

社会的にも重要視されているフレイルですが、栄養面からの観点も重要なアプローチとなります。

栄養不足は、フレイルの発症や進行に大きく関与しています。十分な栄養を摂取しないことは、筋肉の減少や機能低下、免疫力の低下などを引き起こし、フレイルを促進する要因となってしまいます。

また、老化による栄養吸収能力の低下もフレイルと関連しています。

こういった状態に陥る前段階、つまりフレイルの予防や管理には、栄養状態の評価が欠かせません。

体重変化や筋力測定、栄養素の摂取状況の評価など、複数の指標を総合的に考慮する必要があります。

 

栄養によるフレイル予防のポイント3選

ひとつ前の章でも解説した通り、栄養面からのアプローチはフレイルの予防にとって大切なポイントになります。

では、どういったポイントが考えられるのでしょうか?

それぞれ解説していきます。

 

カロリー摂取と栄養バランスの重要性

一つ目のポイントは、カロリー摂取と栄養バランスについてです。

適切なカロリー摂取と栄養バランスは、フレイルの予防に重要です。高齢者は基礎代謝が低下し、エネルギー消費が減少するため、過度にならないよう適切なカロリーを摂ることが重要です。

また、栄養バランスも重要であり、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取することが必要です。

高齢者の方だけでなく、すべての方に共通するポイントともいえるでしょう。

 

タンパク質摂取の役割

二つ目のポイントは、タンパク質摂取です。

タンパク質はフレイル予防において重要な栄養素です。なぜなら、高齢者は筋肉量が低下しやすいため、タンパク質の摂取が筋肉の維持や修復に必要となるからです。

また、タンパク質は筋肉合成を促進し、筋力を維持する助けとなります。

鶏肉、魚、豆類、乳製品、大豆製品といいたものから、良質なタンパク質を摂取すると良いでしょう。

 

ビタミンとミネラルの重要性

三つ目のポイントは、ビタミン、ミネラルです。

ビタミンとミネラルもフレイル予防において重要な役割を果たします。

特にビタミンD、カルシウム、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛などは骨密度の維持や免疫力の向上に関与し、フレイルの予防に貢献します。

それぞれについてまとめましたので、是非チェックしてみてください。

 

・ビタミンD

ビタミンは太陽光による皮膚の合成や食品からの摂取が重要であり、カルシウムとの相乗効果により骨の健康を支えます。十分なビタミンDの摂取は、骨折のリスクを減らし、筋力の維持するために重要です。

・カルシウム

カルシウムは骨の主要な構成要素であり、骨密度の維持に不可欠です。十分なカルシウムの摂取は、骨折のリスクを低下させ、骨の健康を維持します。

乳製品、葉菜類、堅果などの食品からカルシウムを摂取することが推奨されます。

・ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用を持ち、免疫力の向上や組織修復に関与します。食品からビタミンCを摂取することで、免疫機能の維持や筋肉の健康をサポートします。柑橘類、ベリー類、野菜などの食品に多く含まれています。

・ビタミンE

ビタミンEも抗酸化作用を持ち、細胞の老化を防ぐ効果があります。ビタミンEは種子やナッツ、植物油などの食品に豊富に含まれています。

・亜鉛

亜鉛は免疫機能を強化し、細胞の修復や成長に重要な役割を果たします。貝類、赤身の肉、豆類、ナッツなどの食品に亜鉛が豊富に含まれています。

 

これらの栄養素をバランスよく摂取することで、高齢者はフレイルの予防に効果的な栄養状態を維持できます。

ただし、個々の栄養ニースは個人によって異なるため、医師や栄養士との相談が重要です。健康的な食事と栄養補助食品の活用により、フレイルのリスクを減らし、健康的な高齢期を迎えることができます。

 

フレイルに対する2つの栄養サポート例

実際にフレイルに対して、栄養という観点からサポートしていくと考えた場合、どういった施策が挙げられるでしょうか。具体的な2つの例を紹介します。

 

食事改善のアプローチ

高齢者に対するフレイルの栄養サポートには、食事改善のアプローチが重要です。

以下に、食事改善の具体的なアプローチを紹介します。

 

A.タンパク質摂取の増加

高齢者はタンパク質の摂取が不足しがちですので、タンパク質の量を増やすことが重要です。

タンパク質を豊富に含む食品(鶏肉、魚、豆類、乳製品など)を積極的に摂取し、タンパク質の合成と筋力の維持に努めましょう。

B.カルシウムとビタミンDの摂取

骨密度の低下を防ぐために、カルシウムとビタミンDの摂取を重視しましょう。

乳製品、葉菜類、堅果などの食品を摂取し、必要なカルシウムとビタミンDを補給します。

C.ビタミンとミネラルを多様に摂取

ビタミンC、ビタミンE、亜鉛などのビタミンとミネラルを多様な食品から摂取することが重要です。

柑橘類、野菜、種子、ナッツ、豆類などの食品をバランスよく摂取し、免疫力の向上と細胞の健康をサポートします。

 

このように、普段の食生活における栄養面を見直すことで、改善を図っていくことが大切です。

 

栄養補助食品の適切な使用

二つ目は、栄養補助食品の適切な使用です。

栄養補助食品は、食事から摂取できない栄養素を補完するために使用されます。

以下に、栄養補助食品の適切な使用法の例を挙げます。

 

A.医師や栄養士の指導の下での使用

栄養補助食品の使用には専門家の指導を受けると安全です。

医師や栄養士と相談し、自身の栄養状態やニーズに合わせて適切な栄養補助食品を選択しましょう。

B.適切な摂取量を守る

栄養補助食品の摂取量は指示通りに守ることが重要です。

過剰な摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性がありますので、推奨されている摂取量を守りましょう。

C.食事とバランス

栄養補助食品は食事の補完として使用されるべきです。そのため、食事自体が健康的でバランスの取れたものであることが重要です。

栄養補助食品は、メインとする食事から摂取できない栄養素を補完する目的で使用しましょう。

栄養補助食品(ビタミン&亜鉛)栄養補助食品(タンパク質&亜鉛)

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

フレイル予防には適切な栄養摂取が重要であり、カロリー摂取、タンパク質摂取、ビタミン・ミネラルの摂取に注意が必要です。

バランスの取れた食事と栄養補助食品の適切な使用法を守り、フレイル予防に取り組みましょう。

 

 

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