年齢を重なるにつれて、食が細くなり、1日3回の食事だけでは十分な栄養が摂れなくなる高齢者の方も少なくありません。そんな時に役立つのが”おやつ”です。ただの間食ではなく、健康を支えるもう一つの食事として、おやつを見直してみませんか?

今回のコラムでは、高齢者の栄養補給に適したおやつの選び方や取り入れ方、市販品の活用法まで、具体的なポイントをわかりやすくご紹介します。介護やご家族のサポートに関わる方に参考になればと考えています。

 

 

高齢者とおやつの役割

おやつが果たす栄養補給の重要性

 高齢者にとって、おやつは一日の栄養を補う重要な役割を果たします。年齢を重ねると、食欲の低下や咀嚼力・嚥下力の衰えから、1回の食事で十分な栄養を摂取することが難しくなる場合があります。そのため、間食として栄養価の高い簡単おやつを取り入れることが推奨されます。例えば、ヨーグルトや栄養補助食品といった食べやすい工夫がされたおやつを選ぶことで、必要な栄養素を効率的に補給することができます。また、高齢者向けの間食は、エネルギーや栄養を補いながら食事全体のバランスを保つための重要な役割も担っています。

高齢者に適した間食のタイミング

 間食を取り入れる際には、適切なタイミングを意識することが大切です。高齢者の場合、一度に多くの量を食べることが難しいため、1日の食事を少量ずつ小分けにし、間におやつを取り入れるスタイルが有効です。例えば、午前10時や午後3時などの食事と食事の間に、栄養補給を意識したおやつを摂ることで、疲れにくく活動しやすい状態を維持することができます。これにより、血糖値の急な変動を抑え、エネルギーを安定的に供給する効果も期待できます。おやつを上手に取り入れることで、1日の活動のサポートに効果的に役立てることができます。

おやつ習慣の心理的・身体的な効果

 高齢者がおやつを楽しむことは、心理的にも身体的にも多くのメリットをもたらします。お気に入りのおやつを摂ることは、1日の中での楽しみやリラックスタイムとなり、孤独感やストレスの緩和につながります。また、家族や介護者とのコミュニケーションの場としておやつ時間を設けることで、心の健康を促進することもできます。さらに少量でも栄養価の高いおやつを習慣的に取りいれることで、筋力低下や免疫力低下を防ぎ、健康維持をサポートする効果が期待できます。おやつは単なる食事補助ではなく、健康と生活の質を向上させる重要な要素です。

 

おやつ選びのポイント

栄養価が高く食べやすい食品の選び方

 高齢者向けのおやつを選ぶ際には、栄養価が高いことを重視することが大切です。咀嚼力や食欲が低下しがちな高齢者にとって、間食は不足しがちな栄養素を補える重要な機会です。高タンパク質の食品や鉄分、カルシウム、ビタミンが豊富な食材を使用するのがおすすめです。例えば、ヨーグルトとフルーツを組み合わせた簡単おやつは、自然な甘みとともに栄養補給ができるため、高齢者にぴったりです。また、市販の栄養補助食品やゼリータイプのおやつも栄養価が高く簡単に摂取できるため便利です。

噛む力や飲み込みやすさを考慮した食品

 おやつを選ぶ際、噛む力が弱くなったり飲み込みが難しくなったりする高齢者の身体的状況を考慮する必要があります。柔らかく食べやすい食品や、嚥下障害がある場合でも安心して食べられるゼリーやプリンタイプの食品がおすすめです。また、クラッカーやビスケットなどの硬い食品は避け、ふんわりしたパンやプリン、加熱調理された柔らかい果物を選ぶと良いでしょう。飲み込みやすい形にすることで、間食の時間を安全で楽しいものにできます。

健康維持をサポートする栄養素:鉄分、カルシウム、ビタミン

 高齢者の健康をサポートするためには、鉄分、カルシウム、ビタミンなどの栄養素が欠かせません。鉄分は免疫力や血液循環を助け、カルシウムは骨を強く保つのに役立ちます。また、ビタミンCやビタミンDは美容や免疫機能を高めるだけでなく、栄養素の吸収をサポートします。例えば、ドライフルーツ(プルーンやアプリコット)やビターチョコレートには鉄分が豊富に含まれており、日常的なおやつとして取り入れるのに適しています。カルシウムを含むヨーグルトやビタミン豊富なフルーツを組み合わせることで、バランスの良い間食が作れます。

 

おやつを生活に取り入れる際の注意点

食べ過ぎやカロリー過多を防ぐ工夫

 高齢者がおやつを楽しむ際には、カロリーの過剰摂取に注意が必要です。特に、動きが少なく基礎代謝が低下している場合、摂取カロリーがエネルギー消費を上回ると体重増加や生活習慣病のリスクが高まります。おやつの摂取量を1日100~200Kcalを目安に抑えられることで、バランスの取れた栄養補給が可能です。小分け包装のおやつや栄養補助食品を利用すると、適切な量を簡単に管理できます。また、低カロリーでも満足感が得られるヨーグルトや果物などの簡単おやつを選ぶこともおすすめです。

アレルギーや食材の安全性に配慮する

 高齢者向けのおやつを準備する際には、アレルギーや個々の体調に注意することが大切です。特に、食物アレルギーがある場合は、使用する食材の成分表示を確認し、安全なものを選ぶことが必要です。また、高齢者は消化機能が低下していることが多いため、消化しやすい食品を選ぶことで、身体への負担を軽減できます。ナマモノの使用を避けるなど、衛生面や調理方法にも気を配りましょう。市販のおやつでも食品表示をしっかり確認し、安全性の高い製品を選ぶことをおすすめします。

水分補給と組み合わせたおやつ計画

 高齢者は食事量が減少するるだけでなく、水分摂取量も不足しがちです。水分補給をおやつの時間に組み込むことで、栄養とともに効率よく水分を摂取することができます。ゼリーやプリン、アイスのような水分を多く含む食品は、食べやすく、水分補給にも最適です。また、果物や果汁の多いジュースを利用することで、おやつに含まれる栄養素とともに豊富な水分を摂取できます。このようなおやつを取り入れることで、脱水症状の予防や体調管理にも役立ちます。

 

高齢者に最適な市販のおやつ選び

手軽に栄養補給ができる市販品のおすすめ

 高齢者向けのおやつ選びでは、手軽に購入できて必要な栄養素を簡単に摂取できる市販品が便利です。例えば、ヨーグルトやナッツバー、カロリー補給しやすい個包装タイプのスナックは、咀嚼や嚥下に問題無い方にとっておすすめです。また、高齢者が不足しがちな鉄分やカルシウムが補えるウエハースやシリアルバーも人気があります。これらは軽食感覚で摂れるため、間食として手軽に取り入れることができます。

高カロリーゼリーや栄養補給食品の活用

 食事量が減少している高齢者にとって、高カロリーゼリーや栄養補給食品は重要な選択肢です。高カロリーゼリーは、咀嚼や嚥下が難しい方でも食べやすく、各種ビタミンやミネラルを効率よく摂取できるため多くの高齢者に適しています。また、飲み物のように摂れる栄養補助ドリンクなどは、カルシウムやたんぱく質を補給しつつ水分も摂れる点で非常に実用的です。市販の栄養補給食品は味のバリエーションも多く、飽きずに取り入れられるため、介護の現場でも重宝されています。

糖分控えめで健康的なお菓子

 健康管理のためには、糖分控えめで栄養価が高いお菓子を選ぶことも大切です。市販の低糖質クッキーや砂糖不使用のドライフルーツは、甘さ控えめながら栄養補給が期待できるおやつとしておすすめです。特にイチジクやプルーンは鉄分補給に適しており、高齢者のエネルギー補給にも役立ちます。さらにビターチョコレートは、適量を摂取することで鉄分や抗酸化成分を補うことができ、体にいい効果が期待できます。これらのお菓子を選ぶ際は、カロリーと成分表示を確認しながら、自分の健康状態に合わせたおやつを選びを心がけましょう。

 

まとめ

いかがでしょうか?

高齢者の方々にとってのおやつは、栄養補給だけでなく、心の安らぎや日々の楽しみをもたらす大切な存在です。食べやすさや安全性、そして栄養価を意識しながら、無理なく日常に取り入れることが健康維持の第一歩につながります。

大切なのは、無理せず・楽しく・続けられること。ご本人にもご家族にも心地よい「おやつ習慣」を、今日から始めてみませんか?

 

 

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