歯がない人の食事で注意したい食事の形態とは？

食事の形態は大きくわけると４つに分類することができます。

常食（普通食）

一般的な食事の形態で、食材をそのまま調理し食べやすい形で提供。噛むことや飲み込むことが難しくない場合の提供

やわらか食（ソフト食）

常食よりも食材を柔らかく調理したり、刻んだりして噛む力や飲み込む力が弱い人でも安全に食べらる食事

キザミ食

噛む力が低下した人に合わせて、食材を刻んだもの

ペースト食（ミキサー食）

噛まなくて良いように食材を完全にペースト状にし、食べやすくした食事の形態です。食材に水分を加えてミキサーやフードプロセッサーで完全に砕いて調理し、飲み込みやすくします。

 

歯がない人が、現在の食事の形態で食べづらくなっている、飲み込みづらくなっている状態であっても、すぐに食事の形態を変えてしまうことは避けましょう。食事の形態を変える前には、いくつかの手順を追いながら変えていくことが重要です。

食事の環境や、姿勢、食器など、その人を取り巻く様々な環境を適切に変えることで、安全に食べることができる可能性が残されています。食べづらくなったからといって、すぐに食事の形態を変えるのではなく、食事状況を見直し、改善点などがあるかどうか、しっかりと確認する意識を持ちましょう。

専門職（歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士）による摂食・嚥下機能の評価を通し、何が問題であるかというアドバイスをもらいながら工夫して過ごすことをおすすめします。

 

栄養バランスの重要性

歯がない人の食事で特に重要なのは、栄養バランスの確保です。歯を使わずに食事を摂取する場合、特定の栄養素が不足する可能性があります。

そのため、食事全体の栄養バランスを考えてバランスの良い食事を心がけることが重要です。

たんぱく質、脂質、炭水化物のバランスと不足しがちなビタミンやミネラルを摂取することを意識したメニューを心がけましょう。

例えば、歯がないなどの理由で安易に主食であるご飯をお粥などに変更してしまと低栄養になってしまうので注意しましょう。

　　　　　　　　　　　　　　　ご飯100グラムあたり

	エネルギー（kcal）	たんぱく質（ｇ）
ごはん	１６８	２．５
全粥	７１	１．１
５分粥	３６	０．５

上記の表でもわかるように、通常のご飯と同じ栄養量を摂取するには通常のご飯１００ｇに対して、全粥では２４０ｇになります。

このように、ご飯を全粥や５分粥に変更することで本来必要なエネルギー、たんぱく質の摂取が不足し、低栄養状態になることがあります。

これらの対応としては、現実的ではありませんが不足する栄養に対して量を増やして提供する、または栄養補助食品を利用するという選択があるかと考えています。

 

栄養補助食品の活用

歯がない人が栄養バランスを確保するためには、栄養補助食品の活用も必要です。

栄養補助食品としては、サプリメントやドリンク、デザートなどが挙げられます。これらの栄養補助食品を利用することで、特定の栄養不足を補うことができます。ただし、栄養補助食品は食事の代替でなく、補完として活用することが重要です。

できるだけ自然な食材から栄養を摂取するように心掛け、栄養補助食品は栄養バランスを補完するための手段として活用してみてはいかがでしょうか。

【関連記事：高齢者施設で大活躍！栄養補助食品とは？】

 

まとめ

いかがでしょうか？

歯がない人の食事で注意したい食事の形態について、はじめに食事の形態は大きく分けて４つに分類されることと、歯がないことで食べづらい飲み込みづらいなどの理由で食事の形態を変更する前には、いくつかの手順をおって変更前に確認する必要があること。

そして、栄養バランスの重要性については主食であるご飯を例に解説し、栄養バランスの確保を目的とした栄養補助食品の活用も解説しました。

このコラムでは、歯のない人の食事の形態にスポットをあてて、食事の形態などについて書いてみました。

 

 

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