高齢になると歯の喪失が増える傾向にあります。歯の喪失によって、噛む力が弱まることで少食や偏食など栄養不良の原因にもなります。
このコラムでは、そもそも歯の喪失の原因として何が多いのか?歯がないと食べることは本当に出来ないのか?そして、歯がなくても食べられる食材に合わせて、おすすめの料理とデザートを紹介します。
歯の喪失原因は?
歯が喪失する原因の中で、一番多い喪失原因は何だと思いますか?
虫歯だと思っている方も多いと思いますが、2018年に全国調査した結果から歯の喪失原因の1位は「歯周病」(37%)で、2位が「虫歯」(29%)でした。
歯の喪失原因で一番多い原因が歯周病というのは、意外だと思いませんか。喪失原因の歯周病と虫歯の2つが喪失原因の半分以上を占めているという結果です。
また、高齢者では喫煙習慣、糖尿病、骨粗鬆症があると歯の喪失リスクが高まるという結果もあります。そして、一般的に歯は奥歯から喪失する傾向にあり、比較的年齢の若いうちは虫歯で喪失する場合が多いのですが、年齢を重ね、残った歯が少なくなるにつれて歯周病で喪失する歯が多くなります。
この結果から見ても歯周病予防はとても大事です。
歯周病予防は、①規則正しい生活、②健康な歯肉の状態を知る、③正しいブラッシングを身につけて実践、④かかりつけ医による定期検診や予防措置を受ける。
歯周病を予防して、歯の喪失を防ぎ、自分の歯で食事が出来るような生活を続けましょう。
歯がなくても食べることは出来るのか?
歯がなくなると食べることが出来なくなるのか?
歯がなくても食べることは出来るようです。但し、歯がなくなると噛む力が弱まってしまうので咀嚼力には変化はあります。
歯がなくても食べられる理由として、歯がなくても舌や歯ぐきによる口の筋肉をしっかりと動かすことが出来れば、舌や歯ぐきを使って食べ物をすりつぶせる=噛むことができるので、このように口の筋肉をしっかり動かせている方は歯がなくても大抵のものを食べることができるそうです。
歯がなくても何でも食べられるからといって、何でも提供すればいいという事ではありません。
食事を提供する際に、食べものを噛みやすくする工夫も必要です。
例えば、生で硬い野菜については、食べる本人が歯ぐきでつぶせる程度にやわらかくなるまで加熱する。または、ひと口大の食べやすいサイズにカット調理するのも有効だと考えます。次に、飲みやすくする工夫です。肉や魚は煮崩れするくらいまで加熱して、滑らかになるように裏ごしするなどの調理もおすすめです。とろみをつけることで、飲み込みやすくする調理もあります。
但し、歯がなくても口の筋力に衰えがなく食事ができているという方に、やわらかい食事を提供し続けることは、かえって口の筋力を衰えさせてしまうので、本人の体調に合わせて食事の提供をするようにしましょう。
歯がなくても食べられる食材
ここでは歯がなくても食べられるような食材を列記してみます。
・かぼちゃ、人参(野菜を裏ごししてスープやポタージュにしましょう)
・なす(皮をむいて、煮ても蒸しても炒めても焼いても、やわらかくなるものが多いので調理しやすい食材です)
・トマト(湯剥きするとやわらかく食べられます)
・たまご豆腐、絹ごし豆腐
・生鮭(ホイル焼きやバター焼きにするとやわらかくなります)
・たまご(ふんわり、やわらかく調理します)
・ポトフ、おでん(煮込み料理のお野菜はやわらかく食べやすい、繊維のあるものは注意です。)
・プリン(お手軽に購入できるものから高級なものもあります、栄養を考慮した商品もバリエーション豊富な食材の1つです。)
・ゼリー(種類がたくさんありますドリンクタイプのものから、栄養を考慮した商品までラインナップが揃っており、バリエーション豊富に選ぶことができます。)
おすすめの料理5選
上記に記載した食材を使った簡単に作れて、歯のない人でも食べやすいおすすめの料理5選を書いてみましたので、ぜひチャレンジしてみてください。
トマトと卵の中華炒め
中華料理にも出てくる料理です。調理のポイントは、トマトをさっと焼く、強火でスピード勝負、加熱中は卵を混ぜない。
なすのトマト煮込み
なすとトマトと調理料のみのシンプル料理です。作りおきでトーストやパスタなどのアレンジに大活躍です。調理のポイントは、ナスをレンジでしっかりとやわらかくしておきましょう。
豆腐ハンバーグ
やわらかく食べやすい、日本生まれのハンバーグです。調理のポイントは、豆腐をしっかりと水切りする、玉ねぎとニンニクを飴色になるまで炒める、卵黄を加える、タネをよく混ぜ合わせることです。
鮭の豆腐グラタン
種類の違うタンパク源を組み合わせることで、栄養バランスも整います。調理のポイントは、豆腐の水切り(重しを豆腐よりもやや軽い程度のものを用意)、オーブントースターでこげないように注意することです。
鮭とトマトのチーズ焼き
材料を切って乗せて焼くだけ、チーズと鮭がマッチした美味しい一品です。調理のポイントは、生鮭を使用し調味料をもみ込む、焼く前に必ず水気をよくふく取る。トースターによって焼き加減が違うので、様子を見ながら焼きましょう。
おすすめのデザート5選
ここまで、おすすめの料理をご紹介しましたので、おすすめのデザート5選も書いておきます。食後のデザート、おやつの参考にしてみてください。
蒸しパン
蒸しパンは、少量でもエネルギー(カロリー)を摂取できるので、朝食、おやつにおすすめです。デザートとして、味のアレンジを楽しめるのも特徴の1つです。
ヨーグルト
タンパク質やカルシウムが豊富なヨーグルトは、朝食後のデザートや、間食として食べるのがおすすめです。
プリン
プリンはバリエーションがたくさんあります高級なプリンもあれば、栄養を考慮した栄養補助食品など、食シーンに合わせたプリンを選んでみてください。
ゼリー
ゼリーの種類もたくさんあります。そして、歯がなくても食べられるものの1つにすぐ思い浮かぶのが、ゼリーではないでしょうか?ドリンクタイプのゼリーから、こちらも栄養を考慮した栄養補助食品もあり、種類も豊富にあります。ゼリーには、大きな果肉やつぶつぶの果肉などが入っているものがあるので誤嚥に注意しましょう。
カステラ
やわらかくて嚙まなくても食べられる和菓子の1つで、高齢者にも人気のあるおやつです。牛乳と相性のいい和菓子なので、牛乳を飲みながら食べるとカルシウムと水分補給が出来るので、おすすめの食べ方です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
歯の喪失予防が大事であること、歯がなくても食べられるのか、歯がなくても食べられる食材、おすすめの料理とおすすめデザート5選をご紹介しました。
食事提供をする上で、一番大事なことは食べる方の体調に合わせた食事を提供することだと思います。ぜひ工夫しながら提供しましょう。
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